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建築を見てみよう!

わたしたちの住んでいる街にはたくさんの建築があります。
建築はまとまって屋並みになり、街を形づくっています。
私たち建築家が街や建築をどのように見ているのか興味はありませんか。

佐原の「いなえ」 (設計:建築家 郡 裕美)

カテゴリー:建築を見てみよう! 投稿日:2014.07.03



佐原を訪れたのは2013年の秋深まる頃である。狭い通りには人影は少なく、また広い通りにも東京の様なおびただしい車の往来も喧噪もなかった。そこには堀に囲まれた小野川を中心に両脇に柳が植えられた静かな日本の風景があった。


佐原市は千葉県の利根川流域にあり江戸時代には水運を利用して商業が栄えた都市である。

今は人口が5万人程のこじんまりとした街であるが、毎年6月にはあやめ祭りを中心に市は観光にも力を入れている。


紹介する建築は2軒が連なる町屋の修復工事であるが、建築設計に指揮をとった郡氏によると「この町屋は度重なる増改築の結果、元の洋館、土蔵、倉は輪郭が不明なほど絡み合い、中庭は大屋根に覆われてしまっていた。外観以外は原型がほとんど無く、柱に残されたほぞ穴の跡から構造を推量したり、他の建物に手がかりを求めたり考古学的な取り組みで設計を進めた」と語っている。



二期工事(洋館と土蔵の修復)を終えた段階で東日本大震災に見舞われ、一時完成を危ぶまれたが、「町に復興の拠点を作ろう」という話が持ち上がり、佐原の物販店として蘇る事となった。2007年に設計を始め実に5年の歳月がかかり2013年に完成の暁を迎えた。折り重なる歴史の時間を内包するこの場所から佐原の新しい歴史が始まることを願いたい。




最後に郡氏の言葉を掲げて文章を終わりとする。


「歴史的な建物の修復や町並みの再生の設計で求められるのは何か?私はその土地の風土や文化を受け、時間の中で育まれてきた個々の建築や空間に感動する感受性を持つこと、そして、そこに隠れた魅力や美しさを発見し光を当てる優しさを持つことだと思う」とある。


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ピクチャ 5.png

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【設計】





【執筆者】

建築家:岡本 寛


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