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建築を見てみよう!

わたしたちの住んでいる街にはたくさんの建築があります。
建築はまとまって屋並みになり、街を形づくっています。
私たち建築家が街や建築をどのように見ているのか興味はありませんか。

六甲山にある「風の教会」(設計:安藤忠雄)

カテゴリー:建築を見てみよう! 投稿日:2014.05.15


創造された建築を見て触れること、それが建築設計という仕事の原点となっていた。建築の道を歩む中でこれは疑いの余地が無いと思っている。

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紹介する建築は安藤忠雄氏が1986年に手がけた六甲の教会である。別名、「風の教会」と言われ、六甲山の頂き近く緑の豊かな斜面に建ち、ここから大阪湾を一望することができる。建築は礼拝堂、鐘楼、それらに続く長いコロネードで構成される。写真で見ての通り形はシンプルで材料もコンクリート、石、鉄、ガラスと単純な素材で構成されている。

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コロネードは礼拝堂と15度の振れを持ち緩やかに傾斜して礼拝堂の入り口に迫り、その長い距離も屋根天井面と壁面が擦りガラスの構成の為か光の筒の中を通り抜けるような軽快感がある。礼拝堂へ入ると打ち放しのコンクリートで覆われた壁面へと視線が移るが、建築の左側壁面の半分が大きく切り取られ、緑に覆われた外部空間が広がる。ガラスの開口部には柱と梁が十字形に組み合わされ、光によって厳粛な空間に影を映すといった演出が施されている。全体がモノクロームに抑えられ、ロマネスク修道院建築が持つ精神的な世界を詠みがえらせ現代の教会堂を作り出している。礼拝堂の一番後ろには小さなオルガンがあり、コンクリート打ち放しの小さな礼拝堂内に強い音の反響を残していた。

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私はこの建築を2度訪れた。1度目は新築した時に、2度目は20年が経過した2006年である。翌年2007年6月に教会を所有するホテルが倒産しこの教会は内部を見ることができない。が、今でもこの美しい外観に寄り沿い仰ぎ見ることはできる。


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六甲山は標高932mで阪神では最も高い山であり。有名な六甲おろしが吹く。「風の教会」の名もこれにちなんだものと思われる。風の教会がこの六甲山に凛として永くいつまでも建っていて欲しいと私は感じる。


所在地:兵庫県神戸市灘区六甲山町西谷山1878

竣工:1986年

「風の教会」で毎日芸術賞を受賞。


建築家 岡本 寛

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